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政治・経済・社会について考えを綴る、とある東大生の雑感ブログ。

日本にカジノは必要か

2日、いわゆる「IR推進法案」が衆議院内閣委員会を通過しました。

今国会中に参議院本会議で可決され成立すると予想されます。

 

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18901020.htm

 

この法案はカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を、新たに設置する「特定複合観光施設区域整備推進本部」を中心に進めて行くことを規定した法案です。

まだカジノが解禁される訳ではありません。

 

条文の最後には法案を提出する理由がこのように書かれています。

 

『特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことが必要である。これが、この法律案を提出する理由である。』

 

経済・財政への好影響を期待して立法されていることが分かります。

特に外国人観光客の訪日を意識しているようです。

 

一部野党はギャンブル依存症などを挙げて批判していますが、

そうした負の影響を減ずる施策を義務付けることもこの法案には書かれています。

 

実際に日本初のカジノが誕生するかは今後の政府の動向次第です。

 

カジノの良い点と悪い点を天秤にかけて、どちらを取るのかは国民の総意にお任せしましょう。

 

ですが、一つ気になることがあります。

 

訪日外国人観光客は、果たして日本にカジノを求めて来ているのか?

 

カジノはフランス発祥と言われています。

今では全世界で2000軒、東南アジアにも既に複数のカジノが存在するようです。

今から参入する日本は厳しい競争環境に晒されます。

 

日本には他の国と差をつけられる、非常に魅力的な文化がたくさんあります。

言語の問題もあり、観光客が来ている地域は一部に限られてしまっているのが現状です。

またいわゆるクールジャパン的なコンテンツの世界への発信もまだまだ出来ると思います。

 

今持っているものをさらに磨き、日本本来の魅力を高めることにお金を使うのが先決ではないでしょうか。

サービス業界の「過剰品質」

今に始まったことではありませんが、サービス業界における長時間労働の苦しさが少々話題に上っております。

toyokeizai.net

AERAの記事はある程度割り引いて読むことにしているのですが、この話はTwitterでも生の声として時々耳にするので一考には値するでしょう。

 

問題になっているのは

  • 24時間営業
  • 注文から1時間で配達
  • 配達時間指定の要求の厳しさ
  • 年末年始であろうと休めない

といった現場の厳しい労働環境。

24時間営業や年末年始営業はかなり前からやっていると思いますが、宅配に関する問題は近年のネット通販等の急な拡大によって問題が顕在化している面があります。

 

こうした海外では考えられないような「高水準の」サービスを提供しているのは需要があり、そこに市場があるからです。

しかしこれは世界に誇れる「高水準」ではとてもありません。

 

ネット上では「1時間で届かないと困るなんてその人の時間管理能力が悪いだけ」などと切り捨てる向きもありますが、

それを利用する人も長時間労働の影響で前もって色々やっておく余裕がないのかもしれませんし、事は単純ではありません。

 

「消費者がそのサービス業で働く人の生活を思いやれば解決する」という意見もあり、確かにそうした心構えが私たちに足りていない部分はあるでしょう。とはいえそうした道徳的論理だけでは問題解決に至らないと思います。

 

社会の悪循環とも見て取れるのでどこから正せば良いのか非常に難しいですが、先に一つ指摘しておきたいことがあります。

 

 

歯止めの効かなくなった資本主義の論理が社会に幅を利かせている。

 

効率や利益を追い求めていくうちに、自らの生活を犠牲にしてまで「他者に貢献」することが美徳とされ、ますます心と体を蝕んでいく。

今あちこちで「資本主義の危機」が叫ばれ始めていますが、私たちも何か大切なことを置き去りにしてきてしまったような気がします。

 

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さて、本題に戻って解決の糸口は何でしょうか。

こういう時は、企業の意思決定に最も影響する「コストに見合った利益が得られるか」に注目するのが効果的でしょう。

 

24時間営業がむしろ経営の重荷になっていると判断すれば深夜営業は取りやめるだろうし、ドライバーの賃金の方が1時間配送によって得られる販売機会よりも高いならそうしたサービスはやめるでしょう。

 

その方向に社会を向かわせるにはどうしたらよいか。

一つは我々は本当に必要でない限り安易にこうしたサービスを利用しないこと。つまり一種のボイコット。

もう一つは賃金の大幅な上昇。まあこれは企業が決めるので難しいところではありますが、最低賃金の上昇は多少影響するんでしょうか。

 

最低賃金は経済学的には賛否が分かれるところで、中小の事業者も反対することが多いのですが、

一方で経済が好循環すればいずれ恩恵を受ける可能性もあるわけで、彼らを納得させられるような経済状況を作り出すための経済政策を打ち出さなくてはなりません。

 

じゃあそんな経済対策って何だろう、という話はまたの機会にしましょう。

緊急特集:トランプ大統領誕生後の世界を考える

長文注意

 

日本時間11月9日、米国大統領選挙が決着しました。

結果は大方のメディアの予想を覆すドナルド・トランプ氏の勝利。

株価が乱高下したりカナダの移民サイトがダウンしたりと各地で大騒ぎの事態になっています。

www.politico.com

Brexit(英国のEU離脱)の時同様にメディアの楽観的観測が強かったので、もしかしてトランプが勝つかなとは思いましたが本当になりました。

www.msn.com

米国民の少なくとも半数が、政治経験の豊富なクリントン氏に明確なNOを突き付けたということでしょう。米国で何が起こっているのか理解するためにもっと勉強します。

トランプ氏の支持基盤は中高年・白人・男性・中間層と言われ、自分たちの職や所得が移民に奪われているという主張やエスタブリッシュメント(既成勢力)に都合のよい政治が展開されているなどといった考えが特徴的です。

こうした層が政治に大きな揺れを引き起こす動きは先進欧米諸国で徐々に広がりつつあり、今後の世界の動きが注目されます。

 

ところで、選挙中は暴言や実現可能性に乏しい政策など大統領としての資質を疑われていたトランプ氏ですが、実際に大統領に就任したあとの世界秩序はどうなるのでしょうか。

注目する点は

  1. 経済情勢の変化(特にグローバリゼーションの行方)
  2. 世界のパワーバランスの変化(中国とロシア、欧州)
  3. 文化的寛容性の低下
  4. 日本の歩むべき道(方針転換のチャンス)

です。(1が長くなってしまったので、面倒に思ったら2からどうぞ)

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まず経済的な影響ですが、金融市場の動乱は一時的なものであって次第に実体経済に見合った水準に収斂していくだろうと考え、特に触れません。

ここで考えたいのは米国が保護主義的スタンスを取ることによる影響です。

米国はここしばらくの間、自由貿易の旗振り役でありグローバリゼーションの中心にいました。

国境の垣根が低くなりヒト・モノ・カネの動きが激しくなるほどアメリカに利益がもたらされる仕組みになっていたといっても過言ではないでしょう。(やや印象論ですが)

私はグローバリゼーションは資本主義の究極形だと考えています。資本主義は原理的に誰かから正味搾取していくことで豊かになる性質があります。海外の市場をどんどん開放していけば先進国が豊かになるのです。

しかしグローバリゼーションの恩恵を受けているのは国民全体ではなかったようです。実際はどうやら資本家や投資家、企業の上層部に富が集中していたらしい

日本でも賃金労働者への還元が少ないから経済が回らないという話がたまに聞かれます。

話を戻すと、今回のトランプ大統領誕生を機にグローバリゼーションの批判的検証が始まるのではないでしょうか。(始まってほしいという面もあります)

IMFのデータを見ましたが、2000年代前半は確かに世界経済が好調であったもののリーマンショック以降パッとしない上、格差の拡大と貧困問題が露呈しています。

経済の専門家の予測は「米国の保護主義化による世界の貿易の減少、米国の雇用減」などとなっていますが、グローバリゼーションにブレーキがかかれば相殺効果があるかもしれません。

ただ、米国だけが取り残されるという可能性もあります。

www.msn.com

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次にパワーバランスの変化についてです。

トランプ氏の外交手腕は未知数ですが、ビジネスマンとして磨き上げた交渉力はかなりのもののようです。それを生かして案外したたかな(米国に利益をもたらす)外交成果を上げると考えています。

ただしそれは普通の国の話です。徐々に世界の大国として頭角を現しつつある中国と、用意周到な戦略を粛々と進めるロシア(のプーチン大統領)を侮ってはいけません。

彼らはかなりの長期的展望に基づいて今の外交を展開してきます。

いくらビジネスマンとして実績があれ、政治経験のないトランプが一枚下手に回ってしまうのではないかと危惧しています。しかも米国以外を守ることに消極的ですからね。

しばらくの間は日本の周辺で、中国の力が強まることでしょう。あとは側近次第です。

ロシアはシリアなどほかの地域で徐々にアメリカを駆逐していくかもしれません。

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さて3つ目に容易に予想されることですが、トランプ政権下では人種問題やLGBT、女性の権利などにおいてアメリカの文化的水準の下落が起こるでしょう。

それはトランプ氏のせいではなく、トランプ氏の支持者がそういう主義の人たちだからです。

あるいはそこまでいかなくても、米国内で議論が真っ二つに割れる事態は避けられません。

いわゆるマイノリティの方にとってはしばらく暗黒の時代が続くことを覚悟しなければならないでしょう。

怖いのはこの動きが米国外に広がることですね。もともと差別的な感情は常に芽があるので飛び火すると大変なことになります。

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なんだか長くなってしまいましたが、最後にトランプ時代に日本が取るべき道について考えておきます。

まずTPPを成長戦略の主軸に据えていたアベノミクスの見直し

TPPで海外の販路を拡大すれば自動的に日本のGDPも上向くだろうという考えは少々甘いでしょう。

日本経済が上向かないのは何といってもイノベーションの不足です。新しい製品を生み出す力が圧倒的に落ちてしまった。

その根幹にはいろいろな問題があり、ここでは議論しつくせません。

ただこれを機に地に足を付けた(金融・財政政策に頼らない)経済政策を推進すべきでしょう。

それからアメリカからアジアに経済の軸足を移してはどうでしょうか。

東アジアはこれからの経済成長のフロンティアです。こちらで一大経済圏の構築を目指しておくのも長期的にはいいでしょう。

政治的にも、中国大国時代の対中関係構築に努める好機です。いつまでも日米同盟が世界の基軸であるという幻想からは抜け出すべき時代に来ています。

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トランプ氏がどのような政策を展開するのか、非常にワクワクしています

日銀の大規模金融緩和に続く、国の未来を賭けた大きな実験です。

このような興味深い時代に生きることができて嬉しいですね。

強行採決とは何か

11月4日の衆議院TPP特別委員会で、環太平洋経済連携協定TPP)承認案が自民・公明・維新の賛成多数により可決されました。

www.yomiuri.co.jp

山本農水大臣による「強行採決の可能性」に触れる発言などが物議を醸し、民進党共産党による詰め寄りや退席など激しい抵抗がありました。

 

政府・与党が早々にTPP承認案を可決したい理由は、米国大統領選挙にあると言います。

オバマ政権はTPPを推進してきましたが、来週の火曜日に行われる大統領選挙(トランプVSクリントン)のどちらの候補者もTPPに慎重な姿勢をとっており、

日本が批准することによってオバマ政権中の批准を促すことや、日本の世論がTPP反対に傾く虞を考慮したと見られています。

 

TPPが日本に本当に利益をもたらすのかに関しては簡単に結論できないのでここでは差し置くとして、

ここで今回の可決が「強行採決」と呼ばれることについて純粋に疑問を抱きました。

 

強行採決」という言葉は、与党が数の力で悪い法案を無理やり可決させたというような文脈で使われます。

審議を尽くしていないのに採決に踏み切る場合は強行採決と呼ぶことができます。

(日本の国会の審議なんて大抵形だけで議論しても修正が為されることは少ないですが・・・)

 

TPPの批准はYesかNoで答えるしかない案件です。(批准とは何かを考えるとそう)

また、TPPは国民の間でも賛否が分かれており、全員の納得する結論はおそらく出せないでしょう。

こういうとき、代議制民主主義国家では多数決という最終手段を取らざるを得ません。

選挙で選ばれた多数派すなわち与党は、「少なくとも現時点で他のどんな集団よりも最も確からしく国民の総意を代表していると推定されるべき集団」だからです。

 

野党はTPP反対が「絶対的真理である」という暗黙の前提を立てて、「この採決は不公正だ」と批判しています。

しかし或る一つの主張が絶対に正しいということはあり得ません。

あくまでも国会の採決が、現時点で最も確からしい解として認定される仕組みになっています。(国権の最高機関)

 

もし与党の主張が国民の総意と一致していないのであれば、それは選挙制度に問題があります。

それならば選挙制度改革を進めるべきでしょう。

 

本当はTPPは日本を破壊する協定なのかもしれません。

アメリカはTPPの本質に気づき、締結を見送ろうとしているのかもしれません。

 

でも国民が先の選挙で自民党TPPを含めた政策を支持したことは確かです。(すべての政策に賛同したわけではないでしょうが、そう見るのが最も中立的)

であれば今回の採決を強行だと批判することはやや独りよがりな気がします。

 

 

まあ、個人的にはTPPよりもアジア内の経済連携の方が大切かなと思っているんですけどねー・・・。

ドゥテルテ氏は「暴言」大統領?

フィリピンのドゥテルテ大統領が中国と日本を歴訪しました。

習近平国家主席との会談では南シナ海問題の一時棚上げを決め、1兆円規模の経済援助を引き出しました。

アメリカとの関わりを捨てるかのような過激な発言もありましたが、安倍首相との会談では

アメリカとの外交関係は維持するし、南シナ海問題についてフィリピンは日本の側に立つと約束しました。

 

まぁ、何という三枚舌外交・・・

 

さてドゥテルテ大統領は麻薬撲滅を掲げ当選し、見事その公約通り驚異的なスピードで対策を進めています。

犯罪者は殺しても良いというそのスタンスは

欧米から見れば人権を蔑ろにしており、当然非難の声が上がるわけです。

 

日本も欧米諸国と肩を並べる「近代民主主義国家」として、見過ごすわけにはいかないでしょう。

実際ニュースでは「暴言大統領の発言の真意は??」(ドナルド・トランプではない)などの見出しが躍っていました。

 

 

ここからが本題です。

ドゥテルテ大統領のことを「暴言大統領」と一方的に片付けてしまって良いのでしょうか?

私が注目するポイントは、

・人権という欧米発祥の概念の一方的な押し付け

・発展段階の異なる国に一様な民主的体制を強制

に見えることです。

 

誤解のないように言っておくと私は日本に暮らしていますから、

人権は尊重すべきであり犯罪者とはいえ生きる権利を勝手に奪うことは出来ないと考えています。

 

しかし、かつて大日本帝国時代の日本は人権など二の次でした。

もっと昔のヨーロッパだって、権力者に人権を認めさせるために幾度も紛争が起きてきたわけです。

 

人権を制限しつつやや強権的に国をリードするという手法は国を発展させていく上で一度は通る道だと思うのです。

それにドゥテルテ大統領はポルポト派みたいにまだ無辜の民を虐殺するようなことはしていません。

 

勿論今後豹変する可能性もありますが、フィリピン国民が今の政策を支持しているわけですし暫くは見守るのが大国の貫禄ではないでしょうか?

 

私はフィリピン国民の選択を尊重したいと思います。

五輪経費削減はどこまでやるべきか

豊洲の地下空間の話がパタリと取り上げられなくなり、

ここ数日は2020年東京オリンピックの会場変更について盛り上がっています。

 

「海の森水上競技場」の建設費が5倍以上に膨れ上がり、

宮城県の「長沼ボート場」を使うという代替案が示されました。

 

最終的にはこの2択で議論を進めて行くようですが、

ここに至るまで埼玉県の「彩湖」が取り上げられたり、

果ては韓国の競技場まで浮上するなど かなり議論が広がった印象です。

 

先日はIOCのバッハ会長が来日して都知事を含む複数の関係者と会談し、今になっての会場変更にやや釘を刺すような様子も見られました。

 

 

一連の議論を眺めていて思ったのですが

確かに東京都の試算には不備が目立ち、当初の3倍に膨れ上がるとも言われることに納得は行かないでしょう。

しかしだからと言ってオリンピックの開催目的がまるで経費削減かのような雰囲気は、あまりにせせこましい。

 

多少削減できる部分は減らしていく努力が大切ですが、

観客席を大幅に減らすとか、東京から遠く離れた会場を使うとか、

選手や観客に我慢を強いるようでは開催都市東京の名が立ちません。

 

東京オリンピックは世界中が日本・東京に注目するわけであり、この時機に対外的にアピールすることは

将来的に日本・東京に広い意味での利益をもたらすことになります。

 

一般論として、

予算は使うべき場所には使い無駄な場所には使わないことを徹底すべきであり

何でもかんでも緊縮財政みたいな態度では社会の活力が失われてしまうと思います。

 

小池さんには都民へのアピールを程々にして、オリンピック本来の目的を全うして欲しいと思います。

基礎研究と研究費削減 ~ノーベル賞に寄せて~

お久しぶりです。

先日東工大大隅良典榮譽教授がノーベル生理学・医学賞を受賞しましたね。

www.titech.ac.jp

その記者会見で話題となったのが、「研究費の削減と応用科学偏重により、科学技術の根幹を支える基礎研究の質の低下が危ぶまれる」というものでした。

発光ダイオードの研究でノーベル物理学賞を受賞した天野教授なども同じコメントをしていたと報じられました。

 

科学分野のノーベル賞は一般的に数十年前の研究の成果が社会に実装されるなどして認められることで受賞します。山中教授のiPS細胞研究は例外でした。

特に今回のような基礎研究は生きているうちに貰えるかわからない分野です。

 

ここ最近はほぼ毎年日本人が受賞している感じで、「やっぱ日本は科学技術大国だ!」などと安心する向きも見られます。

 

しかし今現在の研究が根の細い、短期的成果を求めるものに偏重しているとしたら、将来の発展は危ぶまれます。

競争的資金獲得制度などにより、成果を確実に説明できる研究に資金が偏って流れるようになっている可能性は否定できません。

 

内閣府の発表した「第5期科学技術基本計画(平成28~平成32年度)」

http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5gaiyo.pdf

をよく見ると、基盤的な力の強化策に触れている割合は極めて少なく、

しかもその内容は大学運営の効率化(という名の補助金削減)や女性の活躍推進という的を外れた議論など、疑問が残るものが目立ちます。(若手のポストやキャリアパスを作ろうという政策はいいと思いますが)

 

国民の税金を投入する以上役に立つといえるものにしかお金を出せないということなのでしょうか。

それでも何年か前までは基礎研究やビッグ・サイエンスの重要性を意識した議論が進んでいたようです。

最後のはおまけです。この時期は活発に議論が交わされていたということですね。

 

 

ところで実際の所研究費はどのように推移しているのでしょうか。

総務省統計局をのぞいてみましょう。

 

これを見ると意外にも研究資金は増加傾向にあったりします。

内訳をみると大学の研究費は変わらず、企業の研究開発費が増加しているようです。

 

そして驚いたのは2番目の資料の42ページ。

理工系の一人当たりの研究費が、人文系を上回る減少を見せているのです。

38ページの基礎研究費を見る限りでは大騒ぎするほどではなさそうですが、研究者の身分保障についても考える必要があると言えるでしょう。

 

ただ、そもそも全体の金額がこれで足りているのかという点について議論しなければなりません。

詳しくは分かりませんが、

国立大学の法人化で国から大学への資金援助はかなり抑えられるようになっているのではないかと思います。

1番目の資料では諸外国と比べても高水準の研究費・研究者数だと豪語しているのですが、どれもトップになれていないし不十分な気がします。

 

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とりあえず、財政改革の旗を振って真っ先に科学技術予算を削減するのはやめてほしいですね。

あと人文科学にもちゃんとお金出さないとだめです。

今回は自然科学メインで書きましたが、大学を国全体で支えてほしいというのが本音です。

 

2016.11.10 追記

衆議院議員河野太郎氏が基礎研究費の削減について実態を調査しているという情報が入って来ました。

http://www.taro.org/2016/11/研究者の皆様へ.php

やはり本当は減っていないのでしょうか?興味深いですね。