年末のご挨拶2016
こんばんは。いよいよ2016年が終わろうとしています。
今年の9月から始めたこのブログ。
当初はちゃんと読まれるのか不安でしたが、徐々に閲覧数も上昇し最近は一カ月で100を超えるようになってきました。まだまだ小規模ですね。
閲覧数を求めて執筆しているわけではありませんが、私の考えが少しでも多くの人に伝わるのであれば嬉しいことです。
今後も読む価値のある記事を執筆できるよう、たゆまぬ努力を継続して参ります。
2016年は特に海外が大きく動いた年でした。イギリスのEU離脱国民投票やトランプ大統領の選出…
2017年は世界のパワーバランスが変化を見せる年かもしれません。
日本では(というか東京では)小池都知事が就任して以来、築地市場やオリンピックの問題が以前燻り続けています。今後大きな動きがあればまた取り上げようと思います。
日本全体としては労働・社会保障について考えたいことが沢山あります。こちらも徐々に文字に起こしていきます。
1週間に1記事がやっとというかなり遅いペースで更新していますが、
これは個人的に多忙であることに加え、低質な記事を量産するようなことを避けたいからです。
中には取り上げたくても流れてしまった話題もありました。
もう少しペースを上げたいなとは考えていますが、実現可能かは分かりません。
最後に今までの記事をまとめて挙げておきます。
9月以降の話題しか触れていませんが、見逃した記事があればぜひご覧ください。
情報は各記事執筆時点のものです。
それでは良いお年をお迎えください!
9月
10月
11月
12月
「間違い日本文化」への対処法
「間違いだらけの蕎麦」
本日放送されたTBSのこの番組。
内容はこういうものでした。
”アメリカ アリゾナ州 フェニックスにある蕎麦屋「SOSOBA」。命がけで完璧な蕎麦を提供しようとするも、SoSo(まあまあ)という評価を受けたことから「SOSOBA」と名づけられたダメ蕎麦屋だ。茹でるときは「水道水」、茹でた「そば湯」は捨てる・・・。そんなダメ蕎麦屋に、「一般社団法人 全麺協 正会員」「江戸流手打ち蕎麦 轟そばの会 常任理事」など数々の称号を持つ蕎麦打ちの達人・松本行雄が 潜入! はたして、松本は正しい日本の蕎麦を伝授し、ダメ蕎麦屋を成敗できるのか!? ”(リンク先より引用)
http://www.tbs.co.jp/program/bukkomi-japanese_20161227.html
実際に見た人でないと伝わらない所も多いとは思いますが、
日本人の想い描く蕎麦とはかけ離れたSobaが作られていく過程と、調理している彼らのポジティブな姿勢にひどく笑ってしまいました。
簡単に説明すると彼らは蕎麦のコシや香りを楽しむ調理法を全く知らず、またタイや中国、韓国由来の様々な香辛料をやたらめったら混ぜてしまっていました。
そのSobaを食べた客は「日本の蕎麦は辛いねえ、こんな食べ物なら僕は日本に行かなくてもいいかな」などとコメントしていました。
そこで潜入した蕎麦打ち職人がマスクマン姿で生地を捏ねるところから実演して見せ、蕎麦の本当の魅力を知ってもらうことができました。
「間違い」を容認すべきか正すべきか
このSOSOBAの店員さんたちに悪気はないのです。
彼らは彼らなりのアイデアで、オリジナリティのあるメニューを提供していたのです。(評判は必ずしも良くないようでしたが…)
とはいえ、「間違った日本料理」を食べたせいで日本への足が遠のいてしまうことは日本人として歓迎できることではありません。
蕎麦に限らず、そしてアメリカに限らず、天麩羅・寿司・ラーメンなどが日本人には奇妙な形で提供されている事例は世界各地にあります。
逆に私たちが海外の料理を改変して定着させてしまっている例もあるわけで、お互い様です。
「だからあんな番組を作って無理やり矯正するのは行き過ぎだ」という意見が多々聞こえてきました。
確かに、文化の伝搬の過程で変化が起こったことに対して批判を加えることは文化の多様性を損なうものであり、厳に慎まなければなりません。
しかし、それは別として「本物」を知ってもらい「本物」の良さ、今回の例でいえば手打ちそばの豊潤な香りや食感を体験してもらうことは推奨されて然るべきです。
その理由の一つにはもちろん、それをきっかけに日本に興味を持つ人が増えれば長期的に日本の魅力を高め、経済学的には観光収入の増加につながるということがあります。
ただそれ以上に、自分たちの文化を知ってもらうということそれ自体、お金には変えられない価値や喜びがあるのではないでしょうか。
私たち日本人は日本文化を世界にもっと誇っていいと思うのです。その上で相手が加えた変化も寛容する姿勢が、これから目指す在り方だと感じた番組でした。
北方領土は還らない、それでも
15日、山口県長門市で安倍首相とプーチン大統領が会談を行い、北方領土における共同経済活動に向けた交渉入りなどで合意しました。
今回の成果は北方領土問題の大きな進展と言えると共に、はっきり言ってこれ以上日本の利益を引き出すことは困難でしょう。
多くの国民が北方領土は粘り強く交渉すればいつか返してもらえるという根拠の無い淡い期待を抱いていますが、無理だと思います。
何故でしょうか?
相手国の立場に立つことと、北方領土の歴史から少し考えてみましょう。
まず、北方領土の歴史で現在に一番影響があるのは終戦前後の経緯です。
日ソ中立条約を破ってソ連が千島列島を占領して行き色丹島に至りました。
条約違反だから無効だ、という批判も一理ありますが、
日本が敗戦国であることやそもそも戦時の条約であることから、戦前の領有権を根拠に返還を求めることには厳しい面があります。
それから、ロシアの立場で北方領土を眺めればわざわざ日本に易々と領土を譲ることなどしたい筈がありません。
日本だってそうでしょう。どんな経済的見返りがあったとしても、尖閣諸島を譲りますか?
中国の軍事的脅威が近づくことや漁業権を考えればそんな事はしたくないでしょう。
だから、日本の領土として返還されることを期待するのは単なる独りよがりの願望に過ぎません。
「それでも」、北方領土に付随する一切の利益を手に入れることを諦めるのは時期尚早です。
あの一帯は豊かな漁場であり、ロシアの領海になって漁獲出来なくなるのは大いなる損です。
また北方領土問題のせいで日露の経済交流が進まないのも潜在的な不利益でしょう。
ロシアと近づき過ぎるとパイプラインを止められる欧州みたいな状況に陥りかねませんが、もう少し接近できる余地はありそうです。
領土としてはロシアの主権が及んでいることを薄々認めつつ、北方領土を通じて日露の交流を深めお互いの経済的利益を実現する。その一歩としての今回の会談は非常に評価出来るものだったと思います。
日本にカジノは必要か
2日、いわゆる「IR推進法案」が衆議院内閣委員会を通過しました。
今国会中に参議院本会議で可決され成立すると予想されます。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18901020.htm
この法案はカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を、新たに設置する「特定複合観光施設区域整備推進本部」を中心に進めて行くことを規定した法案です。
まだカジノが解禁される訳ではありません。
条文の最後には法案を提出する理由がこのように書かれています。
『特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことが必要である。これが、この法律案を提出する理由である。』
経済・財政への好影響を期待して立法されていることが分かります。
特に外国人観光客の訪日を意識しているようです。
一部野党はギャンブル依存症などを挙げて批判していますが、
そうした負の影響を減ずる施策を義務付けることもこの法案には書かれています。
実際に日本初のカジノが誕生するかは今後の政府の動向次第です。
カジノの良い点と悪い点を天秤にかけて、どちらを取るのかは国民の総意にお任せしましょう。
ですが、一つ気になることがあります。
訪日外国人観光客は、果たして日本にカジノを求めて来ているのか?
カジノはフランス発祥と言われています。
今では全世界で2000軒、東南アジアにも既に複数のカジノが存在するようです。
今から参入する日本は厳しい競争環境に晒されます。
日本には他の国と差をつけられる、非常に魅力的な文化がたくさんあります。
言語の問題もあり、観光客が来ている地域は一部に限られてしまっているのが現状です。
またいわゆるクールジャパン的なコンテンツの世界への発信もまだまだ出来ると思います。
今持っているものをさらに磨き、日本本来の魅力を高めることにお金を使うのが先決ではないでしょうか。
サービス業界の「過剰品質」
今に始まったことではありませんが、サービス業界における長時間労働の苦しさが少々話題に上っております。
AERAの記事はある程度割り引いて読むことにしているのですが、この話はTwitterでも生の声として時々耳にするので一考には値するでしょう。
問題になっているのは
- 24時間営業
- 注文から1時間で配達
- 配達時間指定の要求の厳しさ
- 年末年始であろうと休めない
といった現場の厳しい労働環境。
24時間営業や年末年始営業はかなり前からやっていると思いますが、宅配に関する問題は近年のネット通販等の急な拡大によって問題が顕在化している面があります。
こうした海外では考えられないような「高水準の」サービスを提供しているのは需要があり、そこに市場があるからです。
しかしこれは世界に誇れる「高水準」ではとてもありません。
ネット上では「1時間で届かないと困るなんてその人の時間管理能力が悪いだけ」などと切り捨てる向きもありますが、
それを利用する人も長時間労働の影響で前もって色々やっておく余裕がないのかもしれませんし、事は単純ではありません。
「消費者がそのサービス業で働く人の生活を思いやれば解決する」という意見もあり、確かにそうした心構えが私たちに足りていない部分はあるでしょう。とはいえそうした道徳的論理だけでは問題解決に至らないと思います。
社会の悪循環とも見て取れるのでどこから正せば良いのか非常に難しいですが、先に一つ指摘しておきたいことがあります。
歯止めの効かなくなった資本主義の論理が社会に幅を利かせている。
効率や利益を追い求めていくうちに、自らの生活を犠牲にしてまで「他者に貢献」することが美徳とされ、ますます心と体を蝕んでいく。
今あちこちで「資本主義の危機」が叫ばれ始めていますが、私たちも何か大切なことを置き去りにしてきてしまったような気がします。
//
さて、本題に戻って解決の糸口は何でしょうか。
こういう時は、企業の意思決定に最も影響する「コストに見合った利益が得られるか」に注目するのが効果的でしょう。
24時間営業がむしろ経営の重荷になっていると判断すれば深夜営業は取りやめるだろうし、ドライバーの賃金の方が1時間配送によって得られる販売機会よりも高いならそうしたサービスはやめるでしょう。
その方向に社会を向かわせるにはどうしたらよいか。
一つは我々は本当に必要でない限り安易にこうしたサービスを利用しないこと。つまり一種のボイコット。
もう一つは賃金の大幅な上昇。まあこれは企業が決めるので難しいところではありますが、最低賃金の上昇は多少影響するんでしょうか。
最低賃金は経済学的には賛否が分かれるところで、中小の事業者も反対することが多いのですが、
一方で経済が好循環すればいずれ恩恵を受ける可能性もあるわけで、彼らを納得させられるような経済状況を作り出すための経済政策を打ち出さなくてはなりません。
じゃあそんな経済対策って何だろう、という話はまたの機会にしましょう。
緊急特集:トランプ大統領誕生後の世界を考える
長文注意
日本時間11月9日、米国大統領選挙が決着しました。
結果は大方のメディアの予想を覆すドナルド・トランプ氏の勝利。
株価が乱高下したりカナダの移民サイトがダウンしたりと各地で大騒ぎの事態になっています。
Brexit(英国のEU離脱)の時同様にメディアの楽観的観測が強かったので、もしかしてトランプが勝つかなとは思いましたが本当になりました。
米国民の少なくとも半数が、政治経験の豊富なクリントン氏に明確なNOを突き付けたということでしょう。米国で何が起こっているのか理解するためにもっと勉強します。
トランプ氏の支持基盤は中高年・白人・男性・中間層と言われ、自分たちの職や所得が移民に奪われているという主張やエスタブリッシュメント(既成勢力)に都合のよい政治が展開されているなどといった考えが特徴的です。
こうした層が政治に大きな揺れを引き起こす動きは先進欧米諸国で徐々に広がりつつあり、今後の世界の動きが注目されます。
ところで、選挙中は暴言や実現可能性に乏しい政策など大統領としての資質を疑われていたトランプ氏ですが、実際に大統領に就任したあとの世界秩序はどうなるのでしょうか。
注目する点は
- 経済情勢の変化(特にグローバリゼーションの行方)
- 世界のパワーバランスの変化(中国とロシア、欧州)
- 文化的寛容性の低下
- 日本の歩むべき道(方針転換のチャンス)
です。(1が長くなってしまったので、面倒に思ったら2からどうぞ)
---
まず経済的な影響ですが、金融市場の動乱は一時的なものであって次第に実体経済に見合った水準に収斂していくだろうと考え、特に触れません。
ここで考えたいのは米国が保護主義的スタンスを取ることによる影響です。
米国はここしばらくの間、自由貿易の旗振り役でありグローバリゼーションの中心にいました。
国境の垣根が低くなりヒト・モノ・カネの動きが激しくなるほどアメリカに利益がもたらされる仕組みになっていたといっても過言ではないでしょう。(やや印象論ですが)
私はグローバリゼーションは資本主義の究極形だと考えています。資本主義は原理的に誰かから正味搾取していくことで豊かになる性質があります。海外の市場をどんどん開放していけば先進国が豊かになるのです。
しかしグローバリゼーションの恩恵を受けているのは国民全体ではなかったようです。実際はどうやら資本家や投資家、企業の上層部に富が集中していたらしい。
日本でも賃金労働者への還元が少ないから経済が回らないという話がたまに聞かれます。
話を戻すと、今回のトランプ大統領誕生を機にグローバリゼーションの批判的検証が始まるのではないでしょうか。(始まってほしいという面もあります)
IMFのデータを見ましたが、2000年代前半は確かに世界経済が好調であったもののリーマンショック以降パッとしない上、格差の拡大と貧困問題が露呈しています。
経済の専門家の予測は「米国の保護主義化による世界の貿易の減少、米国の雇用減」などとなっていますが、グローバリゼーションにブレーキがかかれば相殺効果があるかもしれません。
ただ、米国だけが取り残されるという可能性もあります。
---
次にパワーバランスの変化についてです。
トランプ氏の外交手腕は未知数ですが、ビジネスマンとして磨き上げた交渉力はかなりのもののようです。それを生かして案外したたかな(米国に利益をもたらす)外交成果を上げると考えています。
ただしそれは普通の国の話です。徐々に世界の大国として頭角を現しつつある中国と、用意周到な戦略を粛々と進めるロシア(のプーチン大統領)を侮ってはいけません。
彼らはかなりの長期的展望に基づいて今の外交を展開してきます。
いくらビジネスマンとして実績があれ、政治経験のないトランプが一枚下手に回ってしまうのではないかと危惧しています。しかも米国以外を守ることに消極的ですからね。
しばらくの間は日本の周辺で、中国の力が強まることでしょう。あとは側近次第です。
ロシアはシリアなどほかの地域で徐々にアメリカを駆逐していくかもしれません。
---
さて3つ目に容易に予想されることですが、トランプ政権下では人種問題やLGBT、女性の権利などにおいてアメリカの文化的水準の下落が起こるでしょう。
それはトランプ氏のせいではなく、トランプ氏の支持者がそういう主義の人たちだからです。
あるいはそこまでいかなくても、米国内で議論が真っ二つに割れる事態は避けられません。
いわゆるマイノリティの方にとってはしばらく暗黒の時代が続くことを覚悟しなければならないでしょう。
怖いのはこの動きが米国外に広がることですね。もともと差別的な感情は常に芽があるので飛び火すると大変なことになります。
---
なんだか長くなってしまいましたが、最後にトランプ時代に日本が取るべき道について考えておきます。
まずTPPを成長戦略の主軸に据えていたアベノミクスの見直し。
TPPで海外の販路を拡大すれば自動的に日本のGDPも上向くだろうという考えは少々甘いでしょう。
日本経済が上向かないのは何といってもイノベーションの不足です。新しい製品を生み出す力が圧倒的に落ちてしまった。
その根幹にはいろいろな問題があり、ここでは議論しつくせません。
ただこれを機に地に足を付けた(金融・財政政策に頼らない)経済政策を推進すべきでしょう。
それからアメリカからアジアに経済の軸足を移してはどうでしょうか。
東アジアはこれからの経済成長のフロンティアです。こちらで一大経済圏の構築を目指しておくのも長期的にはいいでしょう。
政治的にも、中国大国時代の対中関係構築に努める好機です。いつまでも日米同盟が世界の基軸であるという幻想からは抜け出すべき時代に来ています。
---
トランプ氏がどのような政策を展開するのか、非常にワクワクしています
日銀の大規模金融緩和に続く、国の未来を賭けた大きな実験です。
このような興味深い時代に生きることができて嬉しいですね。
強行採決とは何か
11月4日の衆議院TPP特別委員会で、環太平洋経済連携協定(TPP)承認案が自民・公明・維新の賛成多数により可決されました。
山本農水大臣による「強行採決の可能性」に触れる発言などが物議を醸し、民進党・共産党による詰め寄りや退席など激しい抵抗がありました。
政府・与党が早々にTPP承認案を可決したい理由は、米国大統領選挙にあると言います。
現オバマ政権はTPPを推進してきましたが、来週の火曜日に行われる大統領選挙(トランプVSクリントン)のどちらの候補者もTPPに慎重な姿勢をとっており、
日本が批准することによってオバマ政権中の批准を促すことや、日本の世論がTPP反対に傾く虞を考慮したと見られています。
TPPが日本に本当に利益をもたらすのかに関しては簡単に結論できないのでここでは差し置くとして、
ここで今回の可決が「強行採決」と呼ばれることについて純粋に疑問を抱きました。
「強行採決」という言葉は、与党が数の力で悪い法案を無理やり可決させたというような文脈で使われます。
審議を尽くしていないのに採決に踏み切る場合は強行採決と呼ぶことができます。
(日本の国会の審議なんて大抵形だけで議論しても修正が為されることは少ないですが・・・)
TPPの批准はYesかNoで答えるしかない案件です。(批准とは何かを考えるとそう)
また、TPPは国民の間でも賛否が分かれており、全員の納得する結論はおそらく出せないでしょう。
こういうとき、代議制民主主義国家では多数決という最終手段を取らざるを得ません。
選挙で選ばれた多数派すなわち与党は、「少なくとも現時点で他のどんな集団よりも最も確からしく国民の総意を代表していると推定されるべき集団」だからです。
野党はTPP反対が「絶対的真理である」という暗黙の前提を立てて、「この採決は不公正だ」と批判しています。
しかし或る一つの主張が絶対に正しいということはあり得ません。
あくまでも国会の採決が、現時点で最も確からしい解として認定される仕組みになっています。(国権の最高機関)
もし与党の主張が国民の総意と一致していないのであれば、それは選挙制度に問題があります。
それならば選挙制度改革を進めるべきでしょう。
本当はTPPは日本を破壊する協定なのかもしれません。
アメリカはTPPの本質に気づき、締結を見送ろうとしているのかもしれません。
でも国民が先の選挙で自民党のTPPを含めた政策を支持したことは確かです。(すべての政策に賛同したわけではないでしょうが、そう見るのが最も中立的)
であれば今回の採決を強行だと批判することはやや独りよがりな気がします。