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政治・経済・社会について考えを綴る、とある東大生の雑感ブログ。

自民党総裁の任期延長は歓迎しない

自民党が総裁任期を延長できるよう、党則の変更をするかどうか検討し始めました。

 

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この話はだいぶ前から出ていました。

先日の参議院選挙直後にもそんな話が再浮上してきたことを記憶しています。

 

安倍政権を更に持続させることを念頭に議論に着手していることは誰の目にも明らかです。

果たしてこれは許されることでしょうか?

 

安倍政権が良いか悪いかの議論には踏み込みません。

個人的には良い政策も悪い政策もあり、評価が難しいところです。

ほかの政党に政権が担えるか、という問題もありますがこれも脇に置いておきます。

 

ただし、ここ最近の自民党は一つ大きな問題を抱えています。

それは多くのの党員が首相に右に倣えでほぼ無条件に賛同していることです。

安倍さんに従っておけば自分の議員人生も安泰だ。

そのような考えをする人が増えているのかもしれません。

かつての自民党は派閥抗争さえあれ、党内で多様な意見がぶつかり合い、政策のバランスを取っていました。

55年体制という自民党長期政権の中でもそれなりにうまく発展してきたのはそのおかげでもあります。

 

これまで安倍首相は国民の関心の高い経済政策(アベノミクス)と自分のやり遂げたい安全保障関連法案や悲願の憲法改正を上手に切り替えて政権運営をしてきました。

今のまま行けば「それなりに」評価できる政治を続けるかもしれません。

しかし総裁任期を延長した場合、より繊細な問題(自主憲法制定とか)にも取り組みやすくなります。

まずは変えられるところから憲法改正、などと言うくらいですから、多選を撤廃などしようものならそのまま突き進む可能性を作り出してしまうのは確かです。

 

そこまで言わなくても、同じ人がリードする政策には偏りが生じます

本当に主張したいのはこっちです。

色々な人がトップを務めてこそ、全体的にバランスのとれた政治ができるのです。

(そのためにも政権交代は必要です。)

 

安倍さんが長く首相を務めるほど、その歪みは拡大していくことでしょう。

もちろん早く政権交代してくれればいいのですが、その見込みは薄いので・・・(笑)

 

これは彼が悪いわけではありません。

先ほど言ったように一人ではバランスが取れないのです。

長い歴史を見渡せば一人や二人優れた皇帝が存在したかもしれませんが、複雑で巨大な現代社会の統治はそう簡単ではありません。

別に日本は首相の独裁国家じゃないから大丈夫だろという声も聞こえてきそうですが官邸主導は強まるばかり。

首相の思う通りの政策が次々と実施されているように見えます。

 

岸田外務大臣石破茂氏など、ポスト安倍と呼ばれる有力者もいます。

人材がいないわけではありません。

今の段階で総裁任期延長を考えるのは拙速ではないでしょうか。

日本社会の均衡な発展のために、どうか思い留まってほしいと思います。

(終)