高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉
こんばんは。
私用が詰まっていたため、暫く更新を放置してしまいました。
”政府は20日、日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を軸に、高速炉研究開発計画を抜本的に見直す方針を固めた。すでに1兆円超の国費を投入しながら実績を上げていない施設に、巨額の追加費用の投入は困難と判断した。関係自治体との調整が残っており、廃炉の最終判断は年末となる方向だ。一方、使用済み核燃料を再処理して使う核燃料サイクル政策は維持する方針だ。”(上記リンクより引用)
ついに国が動きました。
点検の不備など、肝心の高速増殖以前の問題が相次ぎ一向に再開できていなかったもんじゅの廃炉へ大きな一歩です。
高速増殖炉は非常にロマンのある夢の技術ですが、もし実現するとしてももっと未来の世代に託した方がいいでしょう。現代科学技術が余裕をもって扱える代物ではないのは認めなければなりません。
もんじゅをゾンビのように継続していたことにより、今まで先送りしてきた議論が「核燃料サイクル」です。
高速増殖炉はMOX燃料と並んで核燃料サイクルの軸となっていました。
核燃料サイクルがあれば原子力発電所から発生するプルトニウムの墓場についてあまり考えなくても良かったのですが、
再処理施設も高速増殖炉もはかどらないとなるとサイクルは破綻します。(そもそも成立したことが無いので破綻というのは机上の話ですが…)
核燃料サイクルが破綻するということは、いわゆる核のゴミを埋める場所を国内に見つけないといけないということです。
たとえ核燃料サイクルが成功したとしてもサイクルできない放射性廃棄物は出るので核のゴミ処理問題はあったんですが、
プルトニウムという10万年の半減期をもつ放射性物質を保管するとなるとさらに厄介です。
人々が原発反対を唱える理由は様々あると思いますが、中立的な立場の私が原発廃止を勧めざるを得ない客観的理由が、この問題です。
先日のニュースで「電力会社に300~400年、国が数万年管理する」というのを目にしましたが、正気の沙汰ではないですね。
そんなに電力会社が持ちこたえるでしょうか。
いやその前に高齢化した日本国はあと300年も続くのでしょうか (笑)
数万年も続いた国は過去にありません。
それほど昔になると文明すらない時代です。
その途中で超巨大地震や噴火などで地殻変動が起こっても不思議ではない。
今は国が管理していてそのうち国が滅び、日本列島から人間がいなくなればそんなに気にすることはなくなる。そんな悲観的な未来を描くしかないのでしょうか。
前向きな展望を描くとすれば、世界で協力して核廃棄物処理場所を確保するとか、
核廃棄物を宇宙空間航行のエネルギーにするような未来の技術を開発するとか?
あとは宇宙に捨てちゃうのもありなのかもしれません。
とりあえ一国単位で解決するのは難しいので、日本が主導して国際的な取り組みを進めてほしいなと思います。