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政治・経済・社会について考えを綴る、とある東大生の雑感ブログ。

就職活動で活用できる10のWebサービス

新たに始めた就職活動シリーズ記事。

今回は、2021年卒として就職活動を行った私が利用したWebサービスと、その評価についてご紹介します。

注意事項

  • 国立大学理系(修士)の視点で判断しています。
  • 就職活動で活用できるWebサービスは日々新しいものが登場しています。本記事に書かれた媒体が全てではなく、また閲覧時期によってはサービスが終了している場合もございますので、予めご了承下さい。
  • 特定の組織や商品を宣伝する意図はなく、中立的な立場を取っております。
  • 本連載記事の内容が原因となって万が一不利益が生じた場合、当方では一切責任を負いません。
  • 都合により、予告なく記述内容を修正する場合があります。

 

選び方のコツ

限られた時間で納得の就職活動を進めていくためには、自分に適したサービスを選ぶことが大切です。選ぶ基準の一つとして、サービスの機能が挙げられます。数多くあるサービスですが、実は大体以下のように分類することができます。

  • 求人情報
  • 就職活動ガイド
  • 選考対策記事
  • スカウト
  • OB/OG訪問
  • 口コミ
  • カフェ

また、学生の属性や志向に合わせて分類することもできます。

  • 専門性(理系 / 文系、あるいは細分化された専門分野)
  • 企業分類(大企業 / 中小企業 / ベンチャー企業 / 公務員)
  • 業界分類
  • 学歴(高学歴向けを謳うものがある)

本記事で紹介するサービスはほんの一例です。

就職活動において情報収集の仕方は極めて重要なので、試しながら自分なりの組み合わせを固めていきましょう。

 

個別サービスの紹介

ここからは、私が実際に利用した主なサービスを高評価順に紹介していきます。

評価軸は大きく分けて「キャリアを考える上で役立つ」「選考対策に役立つ」の2点で、特に前者を重視しています。

ただし後者に強みがあるサービスが多いのも事実です。小手先のテクニックも勝負の場面では必要ですが、今後の人生についてじっくり考えることを決して軽視してはならないと思っています。またテクニックは社会人になる上で本質的に重要なこと(エントリーシートの書き方における論理展開など)のみを信じるべきでしょう。

では、以下に列挙したWebサービスについて解説していきます。

  1. 理系ナビ
  2. ONE CAREER
  3. ビズリーチ・キャンパス
  4. iroots
  5. unistyle
  6. アカリクWEB
  7. 知るカフェ
  8. マイナビ
  9. レクミー
  10. キャリタス就活 

 

 1. 理系ナビ

 https://rikeinavi.com/

 理系ナビはその名の通り、理系学生が進路を決める上で役に立つ情報が多く掲載されています。特に「就活ガイド」(https://rikeinavi.com/guide/)というコンテンツでは、インターンシップの選び方や業界・職種の理解、就活体験談、選考対策までをカバーすることができます。またセミナーやキャリア相談なども実施されています。数は少ないものの求人情報も掲載されており、他の企業を調べるための参考になるかと思います。

手始めにこの辺りを読んでみると良いでしょう。 

 なお、金融やコンサルティングの特集が組まれていたりイベント開催があったりしますが、これは理系を積極採用している(と宣伝している)からです。論理的思考力など理系の素地を評価している場合が多いですが、枠が狭かったり必ずしも貴方にマッチしない場合もあります。視野を広げつつ、慎重に検討しましょう。

 

 2. ONE CAREER

www.onecareer.jp

 ONE CARRERを利用する一番のメリットは、膨大な過去の選考体験記でしょう。高学歴文系職の投稿がやや多いものの、理系でも十分役に立ちます。コピペは駄目ですが、エントリーシートの上手な書き方を学んだり、どのような面接対策をすれば良いか参考にしたりすれば選考通過の可能性は格段に上がります。

 日系大手・外資系企業を志望する人に焦点を当てたサービスになっていますが、最近は学生の意向を反映してなのか、ベンチャー企業の掲載も増えています。

 あとは独特な論調の就活記事が面白く、楽しみながら「働くとは何か」「就職活動とは何か」を学ぶことができるのではないでしょうか。

 就活記事|業界・企業研究、選考対策など就職活動に役立つコラムが満載!|就活サイト ONE CAREER

  ただし、個別面談などのサービスがどの程度有用であるかは未知数です。私は早い段階で一度面談させてもらいましたが、その後のフォローアップが適当だった(もう一度面会する約束をしたのに反故にされた)ので不満足でした。

 

 3. ビズリーチ・キャンパス
br-campus.jp

 本来はOB/OG訪問(先輩社員に話を聞く)のために作られたサービスで、主要機能はOB/OG訪問の仲介です。しかしスカウト機能や就活記事も充実しており、そちらの方は隠れた優良サービスだと思います。 

 スカウトと言ってもいきなり採用される訳ではなく、イベントや選考参加の案内が届くものです。ビズリーチ限定開催のイベントも多々あり、採用担当者も学生を選んで勧誘している様子が伺えました(参加学生の出身などから)。

 スカウトが届いたということは、貴方の頑張ってきたことや専門性に人事が期待しているということです。仮に興味がないと思ったイベント等でも、積極的に参加してみることで視野を広げられ、思わぬ発見に繋がるかもしれません。

 またONE CAREERに比べて真面目な体裁の就活記事が多い印象を受けます。先輩の体験記が役に立ちました。

 

4. iroots

iroots.jp

 スカウト専門のサービスです。特徴的なのはアンケートに答えることで貴方の価値観やキャリア志向、性格を定量分析してくれるツールで、これを受けるためだけに登録しても損はないくらい優れています。診断ツールは各社凌ぎを削っていますが、irootsは品質が高いと感じました。

 またプロフィールに自己PRや学生時代頑張ったことなどを書くことができ、自己分析の整理場所としても活用できるでしょう。

 結果として本選考にエントリーする企業には巡り合えませんでしたが、視野を広げる上で大変役に立ちました。厳選してスカウトを送っているので、自分に合った仕事が見つかる可能性は高いです。ただし実名が相手に伝わっているのでスカウトを断りにくく、ストレスに感じたこともあります。

 

5. unistyle

unistyleinc.com

 掲載企業やサービス内容がONE CARRERに近いところがあります。選考対策記事として一番役に立ったのはunistyleかもしれません。記事を読むだけなら登録は不要で、エントリーシートを見るには登録が必要です。なお私はONE CAREERで間に合っていたので登録していません。

オススメ記事例:

 

6. アカリクWEB

acaric.jp

  列挙したサービスの中で最も理系(特に院生以上)向けのサービスで、専門性・技術力を生かして働きたい学生におすすめです。

 登録なしでも閲覧できる各種コラム(https://acaric.jp/modules/acaricContents/)が充実していることはもちろん、プロフィールに得意分野を書いておくと企業からのスカウトも届きます。自力で探すのが難しそうな優良企業が見つかる可能性が高いと思います。

 多く見かける企業の特徴は、大企業よりも規模が劣るが優れた技術力やシェアを持つタイプです。したがって大企業に絶対入りたいという場合は、あまり有効に活用できないかもしれません。

 アカリクが出版している書籍は信頼できて役に立ちました。(大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル 改訂新版を出版いたしました | 株式会社アカリク

 

7. 知るカフェ

shirucafe.com

  限られた大学(いわゆる難関大学)の周辺に店舗を構え、普段はカフェとして営業しています。時々企業の方がやってきて説明会などを開催しており、カジュアルな雰囲気の中で就職について考えることができます。まだ自分が何に興味があるか分からない時や就職活動の初期段階で利用することがオススメです。自分の足で情報を聞きにいく癖も付くのではないでしょうか。ちなみに企業によってはケーキを奢ってくれることも...。

 

8. マイナビ

job.mynavi.jp

 解説不要なくらい有名な大手就職情報サイト。同様のサービスに(内定辞退率予測で話題になった)リクナビがあります。基本的にはマイナビリクナビのどちらかだけ登録していれば問題ないと思いますが、小さい企業だと「マイナビからのみエントリー可能」「リクナビからのみエントリー可能」というケースもあります。

 マイナビは一般学生向けのサービスであり、貴方の属性に応じて上手に使うべきでしょう。例えば理系なら、理系マイナビhttps://job.mynavi.jp/conts/2021/sci/rikeisemi/)が役に立ちます。これを読むと、例えば自分が専門就職・専門外理系就職・文系就職のどれを選ぶのか考える材料になったりします。

 またスマートフォンアプリで適性診断やWEBテスト対策といったコンテンツを活用するのも悪くないでしょう。

 求人検索については、掲載企業が多すぎるため逆に非効率であるように思います。特に上位企業を目指すのならマイナビでの検索は遠回りになりそうです。

 

9. レクミー

www.recme.jp

  新興サービスの一つで、一流企業を目指す学生をターゲットにしているようです。合同企業説明会(レクミーLIVE)に参加してみたところ、確かに一流企業の説明を集中的に聞くことができました。ただ帰り際の必須アンケート量が多すぎるという問題があります。

 他にもスカウト風のサービスがありましたが、他の媒体に比べて稼働率が低い印象です。

 そんな中でも一押しなのはレクミーのYouTubeチャンネルです。「レクミーおじさん」が皆さんの抱える就活の不安にバシバシ答えていくライブ配信や、独自の切り口で採用担当者に迫っていく説明会は見て損はないと思います。

 

10. キャリタス就活

 キャリタス就活 | 新卒学生のための就職準備・就活情報サイト

 マイナビと同じタイプのサービスです。王道のマイナビを敢えて使わずに済まそうと一時期思って登録したのですが、合同説明会も含めてあまり満足できませんでした。アプリの使い勝手があまりスマートでないのも一因ですが、マイナビの下位互換に陥ってしまっているというのが正直な感想です。性格診断は少し遊びました。

 

終わりに

 以上、10のWebサービスを紹介してきました。大事なのは、自己理解と戦略立案に必要な情報を不足なく集めることです。就職活動を始めたばかりだと何をしたら良いのか分からないかもしれません。そんな時は就活記事を読んだり社会人の話を聞いたりして、思考に必要な情報をインプットしましょう。そうすれば自ずと次の道が開けてくるはずです。

 次回は「就職活動で活用できる書籍」を紹介する予定です。お楽しみに!

 

ブログ再開のお知らせ

こんにちは。

忙しい日々が続くうちに、いつの間にかブログから離れてしまいました。

私は大学院に進学し、現在は修士課程2年生として研究に励んでおります。

将来の選択肢としては、研究者ではなく民間企業への就職を決めました。

これを機に、まず就職活動に関係する記事の執筆を始めていきたいと考えております。

あくまでも個人的な意見や感想ですので、もし内容を参考にする際はご自身の責任でよろしくお願い致します。

 

気がつけば世界中でCOVID-19が猛威を奮い、社会の常識が変わろうとしています。当ブログの源流である社会・経済・政治に関する話題についても、再び書いていけたら良いなと思っています。

 

手短ではございますが、再開のご挨拶とさせていただきます。

2020.6.20

3メガバンク主導のQRコード決済

2018年2月27日、金融大手の三菱東京UFJ・三井住友・みずほの3大銀行がQRコード決済に参入し、規格統一やシステム開発で連携するというニュースが飛び込んできました。

www.nikkei.com

www3.nhk.or.jp

 

根強い現金信仰のある日本にも、キャッシュレス化の波が来るかもしれません。

 

QRコード決済とは

QRコード決済で先行するのはお隣の国、中国です。中国ではAlipayやWeChat Paymentが急速に普及し、現金を使わないショッピングが当たり前になりつつあります。

以下は中国発のQRコード決済の公式サイトです。

Alipay

WeChat Pay

 

クレジットカードや電子マネーと違い、専用の端末を店舗側が設置しなくてもQRコードを表示すれば、客が手持ちのスマホ等のカメラでQRコードを読み取ることで決済ができます。

店舗側には導入コスト減のメリット、客側にはスマホさえあれば買い物ができるという利便性がメリットとしてあると言えます。

日本でも既にQRコード決済はあるようなのですが、まだマイナーな企業が展開していたり、結局クレジットカードに紐づけられたりしていて有望ではありません。

(クレジットカードに紐づけられていたら、限度額の問題が発生します。加えて、そもそもだったらカード使えばいいじゃんという話です)

 

銀行が主導するメリット

それは「信頼感・安心感に裏付けられた普及促進」です。

例えば中国の場合、大手IT企業が持つ顧客情報は政府がアクセスできる懸念があります。日本ではその可能性は低いとしても、(LINEなど)銀行以外に金融情報を扱わせるのは躊躇してしまうところがあります。

 

しかし銀行が開発したアプリケーションであれば、我々の銀行口座に直接つながるわけなので消費者が安心して利用することが可能です。

これだと実質的にはデビットカードと大差ないですが、カード発行手続きが不要というのは大きな違いです。この点は利用者の拡大につながります。

 

利用開始のハードルを下げることがキャッシュレス化促進のキーワードです。

 

気になる点

中国では上述のQRコード決済が爆発的に広まったものの、旅行者は基本的に使用できません。日本の銀行が主導して開発した時、海外からの客が使えるようにするか注目しています。

クレジットカードを使える店というのはクレジットカード会社にお金を払っているので、中小の店舗ではキャッシュレス化を進めにくいのが現状です。

QRコード決済はその問題を解決するのですが、海外からの旅行者がQRコード決済を使えない場合は現金払いを余儀なくされます。

この辺りの問題を解決して、観光環境の整備にも繋がると尚良いなというところです。

とはいえ、まず日本人が便利に使えることを第一目標として頑張ってほしいものですね。

 

2018年 読書録(随時更新)

2018年に読んだ書物を将来見返せるように可能な範囲で公開していくことにした。

教養レベルの文庫本を中心に、一部学術参考書も含むことがある。

 

●入江曜子『紫禁城清朝の歴史を歩く』岩波新書 2008年

(2018.2.4了)

明朝打倒から故宮博物院の成立までの清朝の栄枯盛衰を、紫禁城を巡るツアーのようにドラマチックに解説。

 

●基礎物理学選書7『熱力学』(改訂版)押田勇雄・藤城敏幸 著, 裳華房

 1970.3.25 第1版発行, 1998.10.10 改訂第29版発行

(2018.2.17了)

体系的な理解が難しかった熱力学が、この一冊で驚くほど分かるようになった。

易しすぎて正確性に欠けたり、堅すぎて理解不能な教科書が多いが、この本は分かり易い語り口で論理的厳密性を保っていてすごい。個人的には名著。

 

●トーマス・クーン『科学革命の構造』中山茂訳 みすず書房

 1971.3.5 第1刷発行 1984.6.10 第16刷発行

(2018.2.27了)

科学とはどんな営みなのか、科学が「進歩」するのはなぜか。「パラダイム」「通常科学」をキーワードに、他では見られないユニークな議論が展開される。非常に興味深い内容だが、論理展開・説明文ともに堅く難解。

 

coming soon...

衆院選特集:選挙制度改革のススメ

どんな選挙だったか

2017年10月22日、衆議院議員総選挙の投票が行われました。

 

通常国会閉会後、徐々に安倍政権の支持率が持ち直し、民進党の混乱を見極めた首相が踏み切った突然の解散。

消費税の使途変更(財政再建先送り)と北朝鮮の脅威を「国難」などと訴え、憲法改正にも言及して選挙戦を展開しました。

 

その後小池都知事を代表とする希望の党が急設され、民進党は前原代表の一存で全面合流を画策。

 希望の党が追い風を受け一時は自民党の苦戦が予想されたものの、「排除の論理」発言をきっかけに希望の党は失速。

(都政を疎かにして都民の反感を買ったことや、掲げた政策が旧民主党を彷彿とさせるものだったという面もあります)

(そもそも希望の党は政策的に自民党と似通っていて、政権交代が仮に実現したところであまり変化が無いだろうなとは思っていました。)

 

市民の後押しを受けた枝野氏が立憲民主党を創設し、希望の党に賛同しなかった民進党議員を中心に一定の受け皿を確保しました。

 

こうして政権批判票は分散し、結果的に与党が解散前とほぼ同じ勢力を確保しました。

野党再編以外に何の意味も為さなかった選挙として歴史に残りそうですね。

 

結果は以下の通りです。

自由民主党284、立憲民主党55、希望の党50、公明党29、共産党12、維新の会11、社民党2、無所属22

 

選挙制度の見直しを

現在の衆議院議員総選挙小選挙区比例代表並立制です。およそ4分の3の議席小選挙区制で選出されます。

 

この小選挙区制は20世紀末、日本に二大政党制を根付かせることを狙いのひとつとして導入されたものです。

 

その原理上「与党vs乱立する野党」の構図では、仮に政権支持率が半分であっても政権批判票は分散し、与党を利する傾向を持ちます。

実際、大手紙各社の世論調査によると、現在の安倍政権の支持・不支持は概ね拮抗していますが、選挙結果を見ると圧勝と言えますね。

 

つまり小選挙区制は、過半数の支持がありさえすればその支持を拡大して議席に反映する仕組みなのです。

 

ところで、選挙が終わるとメディアはよく「野党共闘が実現すればこれだけ議席を確保できたはずだ」と言い、

それに対し「負け惜しみだ。選挙の結果こそが民意の反映である」と批判する人たちがいますよね。

野党共闘が実現したところで過半数は取れていないので負け惜しみなのは事実ですが、一方で小選挙区制は原理的に民意の正確な反映はしません。

 

それ以前に、これらの発言は「多党制が根付いたまま小選挙区制を続けている日本の選挙」が抱える問題を見逃していると思います。

 

自民党が政権与党であり続ける安定した政治を望むのなら、今の制度は素晴らしいでしょう。

かつての民主党の失敗もあり、また野党も乱立していますから、小選挙区制下での自民党有利は当面続きそうです。(よほどの失策がなければ)

 

しかし包括政党的な面も持つ自民党とはいえ、完全ではありません。

この安定した経済の中でさえ、日々の生活に苦しむ人がいます。その人たちの声は、今回の選挙結果に反映されているのでしょうか。

 

反映されていない声があるなら、自民党の政策決定過程が変わるか選挙制度が変わるか。私としては選挙制度が変わる方が健全な政治だと思います。

 

今後の選挙制度と政党の在り方

我々はいま、20年前の政治改革以来の政治を振り返り、今後の日本の政治を真剣に考えるべき時に来ています。

間接民主制を前提とするなら、基本的には次の2つの選択肢のどちらかです。

 

  1. 自民党の分裂も含め徹底的に二大政党に再編して小選挙区制を続け、政権交代を当たり前にする
  2. 多様な党の存在を前提に比例代表制を主軸にする制度に再設計する(参議院非拘束名簿式比例代表制など)

現在のような中途半端が一番悪いです。

 

これらは端的に言えば、「その時々によりバランスの取れる安定した政治」「常に民意を正確に反映する政治」のどちらを国民は望むのか、ということでもあります。

 

しかしこの20年余にわたる二大政党制の実験は失敗に終わりました。どうやらわが国には二大政党制はそぐわないようです。

日本には多様な党の存在を前提にした選挙制度の構築が必要ではないでしょうか。

 

特集1はこれで終わります。ありがとうございました。

 

--

2017.10.30追記

衆院選後初のNNN世論調査結果が発表。

(読売新聞系という特性を加味した上での議論です)

http://www.news24.jp/articles/2017/10/29/04376553.html

ということが分かります。

 

大体の国民は「非安倍・自民党政権・監視野党」の政治構図が良いと考えているようです。

 

 

都議選は自民党への打撃となるか

忙しくてブログを休んでおりましたが、都議選があったので書きます。

 

2017年7月2日に行われた東京都議会議員選挙(127議席)では、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が55議席を獲得し、都知事を支持する公明党などを加えて親都知事勢力が都議会の過半数の79議席を獲得しました。

一方、今まで57議席を持ち第1党だった自民党は僅か23議席という「歴史的大敗」に終わりました。(メディアの表現)

www3.nhk.or.jp

色々な報道がありますが、ここで一度状況を整理してみたいと思います。

 

まず今回の選挙はあくまでも「地方選挙」であって「国政選挙」ではないことに留意しましょう。東京都議会議員選挙が国政に影響を与えるケースは多いようですが、それは場合によります。

特に今回は昨年就任した小池百合子都知事が(少なくとも形の上では)従来の都政を大改革するというスローガンの下、強い勢いを保っている時期の議会選挙でした。

その為、今までの都知事の手腕を評価する票や今後に期待する票が比較的多く集まった可能性が高いです。安倍政権の運営がどうであれ自民党が厳しい結果をみることになるのは織り込み済みでした。

 

一方、国政に目を向けると昨今は「森友学園問題」「加計学園問題」「閣僚の失言」などといった野党やメディアが政権を攻撃する材料が豊富で、政権支持率の低下も見られるなど厳しい局面にあるのは確かです。(それが真っ当な国会討論だとは思っていませんが)

加えて組織的犯罪処罰法改正案を成立させるなど政権の体力をすり減らしたところでもあります。

そのタイミングで都議選が行われたことは、自民党へのダメージの一因になったかもしれません。

 

しかし、だからといって次の衆院選政権交代が起こるかと言えば、それほど話は単純ではありません。

先ほど述べたように都民ファーストの会は国政に進出しておらず、またその他の既成政党はいずれも自民党議席数に及んでいないことから、国政では自民党に代わって(安心して)政権を託せる政党が存在しない状態です。(公明党自民党と並んでいます)

民進党も政策面で独自の位置を主張できず、政権への批判に終始するという点で共産党の影に埋没している節すらあります。

 

今回の都議選の結果を受けて安倍政権は立て直しを図るでしょう。今後ありうるシナリオは以下の4つです。

  1. 安倍政権が経済政策を掲げて支持を取り戻す
  2. 安倍政権が立て直しに失敗し、政権交代がおきる
  3. 都民ファーストの会が国政進出を図る
  4. 自民党内で新たなリーダーが現れる
自分で書いておきながら何ですが、2, 3の可能性は薄いですね。地方政党が国政に出るのは難しいです。規模も小さいし、全国民が共感する政策を打ち出せるかどうか。政権交代については先程述べたとおりです。
 
で、ここまでアメとムチによる「したたかな」政権運営を行ってきた安倍政権ですから、経済政策を前面に掲げて求心力を高めていく可能性は十分にあります。
しかし内閣改造に失敗するなどした場合は、ポスト安倍を狙っているといわれる岸田外務大臣石破茂元幹事長が自民党内の支持を集め、新たにトップに躍り出るかもしれません。他に受け皿となる政党が見当たらない状況では、このシナリオも十分ありうるのではないかと考えています。(俗に疑似政権交代と言われるやつです)
 
ではまた次回。

「共謀罪法案」を冷静に考えてみる

3月21日、「組織的犯罪処罰法改正案」が閣議決定され、衆議院に提出されました。

共謀罪創設によって国民の権利が不当に制限される、テロ対策と言いながらテロの文言が入っていない、等々様々な批判が展開されています。

 

この一つの記事では書ききれないほど考えるべき点があるので、まず今回は議論が熱する中で忘れられていそうなポイントを2つ挙げながら少し私見を述べたいと思います。

 

①「組織的犯罪処罰法改正案」=「共謀罪」「テロ」は誤り

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/treaty156_7b.pdf

www.mofa.go.jpより

 

こちらは今回の改正案の元となっている国際条約の要旨です。

よく見てもらうと対象は「重大な犯罪(懲役4年以上など)の合意」、「犯罪収益の洗浄(マネーロンダリング)」、「司法妨害」等ということになっています。

このうち一つ目がいわゆる共謀罪に類すると考えられます。テロ抑止というのは明記されていません。(そもそもテロの法的な定義が不明)

テロ対策を強調するのは国民の納得を得やすくするための方策でしょう。

 

②「共謀罪」の制定=悪、ではない

(本来は「重大犯罪の合意」と言う所を便宜上「共謀罪」と言わせてもらっていますが)「共謀罪」に不安を抱く人たちの多くは「思想の自由」などの人権侵害を心配しているようです。その点に不安を抱くことは同意します。

 

しかし問題は「共謀罪」を法制化することではありません。

本質は「共謀罪の法制化により、どんな些細な意気投合でも即処罰の対象になってしまうのではないか」というところにあります。

これはつまり、法案が不明瞭な領域を含むせいで捜査や検挙が(時の政権の意向などに左右されるなどして)不当に行われる危険性を排除出来ていないとみんなが考えているわけです。

 

http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2017/03/kyobozai_old_new.pdf

こちらの新旧対照表の4ページを見ますと、組織的犯罪集団と認定される要件は「集団の結合関係の基礎が当該犯罪の実行にある」ことであり、さらに刑に処するためには「資金や物品の準備や下見など、犯罪実行の具体的な準備をした」事実が必要です。

 

これを落ち着いて解釈すれば、一般人が不当に拘束されるという懸念は当たらないことが分かります。

ただし、捜査機関が強引に犯罪成立要件に当てはめるよう画策する可能性は考えられますので、それを防ぐために捜査への監視や抑止を盛り込んだ法律を別途制定することが建設的な批判というものではないでしょうか。

 

(急ぎの為、後日文面を微修正します)