就職活動で活用できる10のWebサービス
新たに始めた就職活動シリーズ記事。
今回は、2021年卒として就職活動を行った私が利用したWebサービスと、その評価についてご紹介します。
注意事項
- 国立大学理系(修士)の視点で判断しています。
- 就職活動で活用できるWebサービスは日々新しいものが登場しています。本記事に書かれた媒体が全てではなく、また閲覧時期によってはサービスが終了している場合もございますので、予めご了承下さい。
- 特定の組織や商品を宣伝する意図はなく、中立的な立場を取っております。
- 本連載記事の内容が原因となって万が一不利益が生じた場合、当方では一切責任を負いません。
- 都合により、予告なく記述内容を修正する場合があります。
選び方のコツ
限られた時間で納得の就職活動を進めていくためには、自分に適したサービスを選ぶことが大切です。選ぶ基準の一つとして、サービスの機能が挙げられます。数多くあるサービスですが、実は大体以下のように分類することができます。
- 求人情報
- 就職活動ガイド
- 選考対策記事
- スカウト
- OB/OG訪問
- 口コミ
- カフェ
また、学生の属性や志向に合わせて分類することもできます。
- 専門性(理系 / 文系、あるいは細分化された専門分野)
- 企業分類(大企業 / 中小企業 / ベンチャー企業 / 公務員)
- 業界分類
- 学歴(高学歴向けを謳うものがある)
本記事で紹介するサービスはほんの一例です。
就職活動において情報収集の仕方は極めて重要なので、試しながら自分なりの組み合わせを固めていきましょう。
個別サービスの紹介
ここからは、私が実際に利用した主なサービスを高評価順に紹介していきます。
評価軸は大きく分けて「キャリアを考える上で役立つ」「選考対策に役立つ」の2点で、特に前者を重視しています。
ただし後者に強みがあるサービスが多いのも事実です。小手先のテクニックも勝負の場面では必要ですが、今後の人生についてじっくり考えることを決して軽視してはならないと思っています。またテクニックは社会人になる上で本質的に重要なこと(エントリーシートの書き方における論理展開など)のみを信じるべきでしょう。
では、以下に列挙したWebサービスについて解説していきます。
1. 理系ナビ
理系ナビはその名の通り、理系学生が進路を決める上で役に立つ情報が多く掲載されています。特に「就活ガイド」(https://rikeinavi.com/guide/)というコンテンツでは、インターンシップの選び方や業界・職種の理解、就活体験談、選考対策までをカバーすることができます。またセミナーやキャリア相談なども実施されています。数は少ないものの求人情報も掲載されており、他の企業を調べるための参考になるかと思います。
手始めにこの辺りを読んでみると良いでしょう。
- 「理系の仕事/職種研究」https://rikeinavi.com/guide/cat_occupations_index/
- 「理系の仕事MAP」https://rikeinavi.com/guide/careerguide_field/
なお、金融やコンサルティングの特集が組まれていたりイベント開催があったりしますが、これは理系を積極採用している(と宣伝している)からです。論理的思考力など理系の素地を評価している場合が多いですが、枠が狭かったり必ずしも貴方にマッチしない場合もあります。視野を広げつつ、慎重に検討しましょう。
2. ONE CAREER
ONE CARRERを利用する一番のメリットは、膨大な過去の選考体験記でしょう。高学歴文系職の投稿がやや多いものの、理系でも十分役に立ちます。コピペは駄目ですが、エントリーシートの上手な書き方を学んだり、どのような面接対策をすれば良いか参考にしたりすれば選考通過の可能性は格段に上がります。
日系大手・外資系企業を志望する人に焦点を当てたサービスになっていますが、最近は学生の意向を反映してなのか、ベンチャー企業の掲載も増えています。
あとは独特な論調の就活記事が面白く、楽しみながら「働くとは何か」「就職活動とは何か」を学ぶことができるのではないでしょうか。
就活記事|業界・企業研究、選考対策など就職活動に役立つコラムが満載!|就活サイト ONE CAREER
ただし、個別面談などのサービスがどの程度有用であるかは未知数です。私は早い段階で一度面談させてもらいましたが、その後のフォローアップが適当だった(もう一度面会する約束をしたのに反故にされた)ので不満足でした。
3. ビズリーチ・キャンパス
br-campus.jp
本来はOB/OG訪問(先輩社員に話を聞く)のために作られたサービスで、主要機能はOB/OG訪問の仲介です。しかしスカウト機能や就活記事も充実しており、そちらの方は隠れた優良サービスだと思います。
スカウトと言ってもいきなり採用される訳ではなく、イベントや選考参加の案内が届くものです。ビズリーチ限定開催のイベントも多々あり、採用担当者も学生を選んで勧誘している様子が伺えました(参加学生の出身などから)。
スカウトが届いたということは、貴方の頑張ってきたことや専門性に人事が期待しているということです。仮に興味がないと思ったイベント等でも、積極的に参加してみることで視野を広げられ、思わぬ発見に繋がるかもしれません。
またONE CAREERに比べて真面目な体裁の就活記事が多い印象を受けます。先輩の体験記が役に立ちました。
4. iroots
スカウト専門のサービスです。特徴的なのはアンケートに答えることで貴方の価値観やキャリア志向、性格を定量分析してくれるツールで、これを受けるためだけに登録しても損はないくらい優れています。診断ツールは各社凌ぎを削っていますが、irootsは品質が高いと感じました。
またプロフィールに自己PRや学生時代頑張ったことなどを書くことができ、自己分析の整理場所としても活用できるでしょう。
結果として本選考にエントリーする企業には巡り合えませんでしたが、視野を広げる上で大変役に立ちました。厳選してスカウトを送っているので、自分に合った仕事が見つかる可能性は高いです。ただし実名が相手に伝わっているのでスカウトを断りにくく、ストレスに感じたこともあります。
5. unistyle
掲載企業やサービス内容がONE CARRERに近いところがあります。選考対策記事として一番役に立ったのはunistyleかもしれません。記事を読むだけなら登録は不要で、エントリーシートを見るには登録が必要です。なお私はONE CAREERで間に合っていたので登録していません。
オススメ記事例:
6. アカリクWEB
列挙したサービスの中で最も理系(特に院生以上)向けのサービスで、専門性・技術力を生かして働きたい学生におすすめです。
登録なしでも閲覧できる各種コラム(https://acaric.jp/modules/acaricContents/)が充実していることはもちろん、プロフィールに得意分野を書いておくと企業からのスカウトも届きます。自力で探すのが難しそうな優良企業が見つかる可能性が高いと思います。
多く見かける企業の特徴は、大企業よりも規模が劣るが優れた技術力やシェアを持つタイプです。したがって大企業に絶対入りたいという場合は、あまり有効に活用できないかもしれません。
アカリクが出版している書籍は信頼できて役に立ちました。(大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル 改訂新版を出版いたしました | 株式会社アカリク)
7. 知るカフェ
限られた大学(いわゆる難関大学)の周辺に店舗を構え、普段はカフェとして営業しています。時々企業の方がやってきて説明会などを開催しており、カジュアルな雰囲気の中で就職について考えることができます。まだ自分が何に興味があるか分からない時や就職活動の初期段階で利用することがオススメです。自分の足で情報を聞きにいく癖も付くのではないでしょうか。ちなみに企業によってはケーキを奢ってくれることも...。
8. マイナビ
解説不要なくらい有名な大手就職情報サイト。同様のサービスに(内定辞退率予測で話題になった)リクナビがあります。基本的にはマイナビかリクナビのどちらかだけ登録していれば問題ないと思いますが、小さい企業だと「マイナビからのみエントリー可能」「リクナビからのみエントリー可能」というケースもあります。
マイナビは一般学生向けのサービスであり、貴方の属性に応じて上手に使うべきでしょう。例えば理系なら、理系マイナビ(https://job.mynavi.jp/conts/2021/sci/rikeisemi/)が役に立ちます。これを読むと、例えば自分が専門就職・専門外理系就職・文系就職のどれを選ぶのか考える材料になったりします。
またスマートフォンアプリで適性診断やWEBテスト対策といったコンテンツを活用するのも悪くないでしょう。
求人検索については、掲載企業が多すぎるため逆に非効率であるように思います。特に上位企業を目指すのならマイナビでの検索は遠回りになりそうです。
9. レクミー
新興サービスの一つで、一流企業を目指す学生をターゲットにしているようです。合同企業説明会(レクミーLIVE)に参加してみたところ、確かに一流企業の説明を集中的に聞くことができました。ただ帰り際の必須アンケート量が多すぎるという問題があります。
他にもスカウト風のサービスがありましたが、他の媒体に比べて稼働率が低い印象です。
そんな中でも一押しなのはレクミーのYouTubeチャンネルです。「レクミーおじさん」が皆さんの抱える就活の不安にバシバシ答えていくライブ配信や、独自の切り口で採用担当者に迫っていく説明会は見て損はないと思います。
10. キャリタス就活
キャリタス就活 | 新卒学生のための就職準備・就活情報サイト
マイナビと同じタイプのサービスです。王道のマイナビを敢えて使わずに済まそうと一時期思って登録したのですが、合同説明会も含めてあまり満足できませんでした。アプリの使い勝手があまりスマートでないのも一因ですが、マイナビの下位互換に陥ってしまっているというのが正直な感想です。性格診断は少し遊びました。
終わりに
以上、10のWebサービスを紹介してきました。大事なのは、自己理解と戦略立案に必要な情報を不足なく集めることです。就職活動を始めたばかりだと何をしたら良いのか分からないかもしれません。そんな時は就活記事を読んだり社会人の話を聞いたりして、思考に必要な情報をインプットしましょう。そうすれば自ずと次の道が開けてくるはずです。
次回は「就職活動で活用できる書籍」を紹介する予定です。お楽しみに!